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障害への理解を得るために
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障害を持ってこんな思いをしたことは? Edit

  • ほんとはできるのにできないと思われていると感じることがある
  • 努力や工夫をしてもできないことを、頑張り屋熱意が足りないからだと思われていると感じることがある

偏見・差別・区別 Edit

障害を語る上で、「偏見」や「差別」や「区別」を避けて通ることはおそらくできないだろう。
なぜなら、区別して配慮を受けることが必要な場面はどんな障害でも少なくないからだし、「差別」をされて悲しかったり「偏見」によって傷つくことが外に出れば必ず出会う場面だからだ。

国語学的に何が違うのだろう Edit

では、「偏見」と「差別」と「区別」は言葉の上で何か違いはあるのだろうか?

偏見
偏った見解。中正でない意見。

差別
1.差をつけて扱うこと。わけへだて。 「差別待遇」
2.区別すること。けじめ。 「商品の差別化を図る」

区別
それとこれとの間に認める違い。また、それをこれと違うもの(種類)として扱うこと。 「区別がつかない」
Oxford Languagesより

なるほど、どうも差別と言う言葉は悪い意味だけで使われるようではないらしい。しかし、障害のこととなると差別という言葉は悪い意味で使われる場面がほとんどな感覚が多いのではないだろうか。

偏見の具体的な例 Edit

  • 知的障害だから理解できなくて仕方がないよね
  • 発達障害だから何か変わっていて当然だよね
  • 精神障害だから判断なんてできないよね
  • 身体障碍だから、これはできるわけないよね

差別の具体的な例 Edit

  • 知的障害だから君にはこれは難しいから理解できなくていいよ
  • 発達障害なのになんでそんなに普通なの
  • 精神障害だから頑張らなくていいよ、病状悪くなって私のせいにされてもこまるから
  • 身体障碍だから無理しなくていいよ、障害がひどくなって文句言われても困るから

区別の具体的な例 Edit

  • 知的障害だけど、ひらがなやカタカナでメモして渡せば、あなたにはきちんと指示が伝わるんだよ
  • 発達障害だけど一日や一週間の予定を見えるところに置いておけばあなたはいい仕事してくれるんだよ
  • 精神障害だけどあなたに合ったペースで情報提供すればしっかり考えてくれるんだよ
  • 身体障碍だけど必要な補助具の利用を認めてあげれば健常者に劣らないんだよ

私達がしてほしいのは? Edit

偏見や差別ではなくて、もちろん区別だよね。区別にはきちんとその人の能力を認める優しさを感じるし、障害を持つ人も健常者も何より気持ちよく過ごせる。
だけど、区別をしてくれる人は、同じような障害を持つ人と関わったことがあったり、専門的な知識を持っていたりして、きちんと区別を的確にしてもらうのは難しいことも多くある。
もし、それを知らないために、その人が、あなたを差別したり、あなたに偏見を持っているのだとしたら、的確に区別をできないその人が悪いのだろうか?
もちろんさりげなく的確な区別をしてもらえた時、私達はその人をとても理解のある人と感じるのは間違いない。
でも、その人が正しい知識を持っていないために、あなたを差別したりあなたを偏見の目で見るとき、その人は理解のない悪い人だと言い切れるだろうか?
UNIC=国連広報センターのウェブサイトによれば、障害を持つ人は世界中の人口の15%だと推計されている。
単純に日本の人口が1億2千万人だとしたら日本の障碍者の人数は1千800万人ということになる。
これを一人が全人生で深く関わる人数と言われている500人に置き換えてみると、その人が人生で出会う障碍者の人数は75人ということになる。
世の中に病気の種類は何百もあるのに、障害を持つ人に一人が接する可能性があるのは最大で75人なのだ。
つまり、ある健常者があなたに出会ったとき、その健常者があなたとよく似た病気で生活のしずらさを感じている人に過去に出会っていて、知識が既にあると考える方が難しいと言うことはできないだろうか。
そういう観点から考えてみると、もし理解のない人に出会って的確に区別をしてもらえなかったとき、あなたがあなたの障害や、どうしてもらえたら最大限のスキルを発揮できるのか、あなたが上手に説明できたら、その健常者がよっぽどの冷酷な人でもないかぎり、きちんと理解して的確に区別して接してもらえるのではないだろうか。
もし一生懸命説明しても、「困ってるのはわかるけどなんで私がそんなことしなきゃいけないのか」という人は稀にいるかもしれないが、そういう人は理解をしたくない、障碍者を低く高い位置から見下しているのだとラベリングしてもいいかもしれない。
もちろんより伝わり易いように自分の説明方法もアップデートすることも必要になるかもしれない。

健常者の皆さん? Edit

もし障害を持っていたり生きづらさを感じている人に出会って「どうしたらいいのかな」と思うとき、そのまま目の前のその人に尋ねてみてください。
それでもその人が怠けているとかどうしたらいいのかわからないとなったら、もしほんの少しの優しさが残っていたら、上の内容を伝えるか、このページを見せてあげたり、読んであげたりしてくれませんか?
あなたがその人を理解したいと思っているように、その人もあなたを理解したいと思っているはずです。あなたがその人に何を説明してもらいたいのか伝わったら、最初は難しいと思うこともあるかもしれませんが、どこまでならできうるのか、その人に何度も問いかけてみてください。
そうして、お互いに気持ちよく過ごせる方法を探ってもらえたらと思います。
このページを読んでいる人なら既に知っていると思いますが、障害名や病名が同じでも、程度や重症度によって、必要な配慮が異なることは、是非頭の隅に置いておいてください。
それさえ忘れなければ、目の前のその人に、「あなたにはどうすればいいの」と尋ねることは容易でしょう。
それを聞いてもし答えられなくて、「やっぱり障碍者はなぁ」と思ったなら、その人が初めて理解を得る成功体験を与えることができるのだと、更なる社会参加社会貢献ができるようになるのだと悟って、その機会を与えてもらえるような取り組みを、もし余裕があればお願いします。


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